SNS上で過激な振付が拡散される一方で、韓国の伝統的なマスメディアは極めて厳しい対応を迫られてきました。テレビ各局の音楽番組で「放送禁止」や「振付修正命令」が下された背景には、公序良俗と青少年の保護を巡る明確な基準が存在します。
韓国における放送コンテンツは、韓国放送通信審議委員会(KOCSC)の厳しい審査を受けています。特にKBS、MBC、SBSの三大地上波放送局は、独自の韓国音楽番組 規制基準を設けており、審議に引っかかった振付はリハーサルの段階で即座に修正を求められます。過去に規制の対象となった具体的な振付動作には、以下のような特徴がありました。
最も厳しく取り締まられたのが、「床に這いつくばる動作」や「臀部を激しく打ち振る動作(トゥワーク)」です。また、衣装の一部に手をかけて下着を想起させる演出や、スカートのジッパーを徐々に引き上げる振付も、「青少年の情緒発達を著しく害する」として修正対象に指定されました。さらに、ヨジャドルの衣装露出に関しても、胸元の深いスリットや過度なショートパンツにはカメラワークの制限やインナーの追加着用が義務付けられました。
番組制作関係者の証言によると、現場のプロデューサー(PD)は常に「表現の自由」と「視聴者からの苦情通報」の板挟みになっており、生放送中に規定以上の露出があった場合には、番組そのものが審議会から警告や過怠金の行政処分を受けるリスクを背負っています。こうした防波堤が存在したからこそ、過激な演出の受け皿がテレビからWebメディア、そしてオフラインの大学祭へと流出していく構造が生まれたと言えます。