贈答品やスーパーで購入したばかりの桃の中には、まだ実が引き締まっていて湯むきが効かない個体も存在します。素材の状態を見極め、適切に対処する知識が不可欠です。
熟度を見分ける「桃の追熟見極め詳細まとめ」
固い桃に湯むきを施しても、ペクチンが分解されにくいため綺麗に剥けません。まずは以下の3つのサインで完熟度をチェックしてください。
1つ目は「香り」。鼻を近づけた際、甘く芳醇な香りがはっきりと漂っていれば熟成の証です。2つ目は「軸周辺の地色」。緑色が完全に抜け、乳白色から黄色味を帯びていれば食べ頃です。3つ目は「果頂部の感触」。お尻の部分を指の腹で極めて優しく触れたとき、かすかに弾力を感じる状態がベストです。未熟な場合は、エアコンの風が直接当たらない常温(20〜25℃)の風通しの良い日陰に2〜3日置いて追熟させます。食べる2〜3時間前に初めて冷蔵庫の野菜室で冷やすのが、甘みを最も強く引き出す保管法です。
未熟な個体へのアプローチ|固い桃の皮の剥き方
もし追熟を待たずに固い桃の皮の剥き方を実践する場合、無理に湯むきを行ってはいけません。果肉が硬質な品種(福島県産の「まどか」や山形県産の「川中島白桃」の初期収穫分など)は、湯むきをしても皮が千切れて失敗します。
この場合は、皮付きのまま先に包丁で櫛形に切り分け、まな板に皮を下にして置き、刺身を引く要領で包丁の刃を皮と身の間に滑り込ませて剥くのが最も無駄のない確実な手段です。
鮮やかさをキープする「桃の変色防止方法」
桃の果肉はポリフェノールと酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)を豊富に含むため、空気に触れると急速に茶褐色へ変色します。これを防ぐ最も確実な桃の変色防止方法は、薄い砂糖水(水200mlに対し砂糖大さじ1)または塩水(水200mlに対し塩ひとつまみ)に、カットした桃をさっと30秒ほど潜らせることです。
レモン水も効果的ですが、酸味が桃本来の繊細な甘みをマスキングしてしまう恐れがあります。果実の風味をピュアに保ちたいパティシエの現場では、糖度を補いながら空気の接触を遮断できる「薄いガムシロップ液(砂糖水)」への浸漬が選ばれています。