年間100万人規模の観光客が訪れる黒部ダムにおいて、現場で最もストレスになりやすいのが「混雑と待ち時間のコントロール」です。近年のSNSの投稿や旅行コミュニティ(知恵袋、レビューサイト)の書き込みを分析すると、訪問者の評価は「時間配分を誤ったか否か」で真っ二つに分かれています。
「お盆休みに行ったが、扇沢の駐車場が満車で手前数キロから大渋滞。電気バスに乗るまで1時間半待ち、展望台の上り階段は人の波で進めなかった。」(SNS投稿より)
一方で、早朝の便を選択した利用者は「朝7時台の始発電気バスでダムに到着すると、まだ観光客もまばらで、湖面に映る後立山連峰と貸切状態の放水を静かに味わえた」と極めて高い満足度を報告しています。特に混雑がピークを迎えるのは10時30分から14時00分の間であり、この時間帯にダムレストハウスへ向かうと、名物の食事処でさらに30〜45分の行列に巻き込まれることになります。
そのレストハウスで誰もが注文するのが、昭和40年代初頭に扇沢の「クラブハウス」で誕生したアーチカレーを源流とする黒部ダムカレーです。ご飯を堰堤のアーチに見立て、緑がかったほうれん草カレーやスパイシーなルーで黒部湖のエメラルドグリーンを再現。カツやソーセージは遊覧船「ガルベ」や放水を表現しています。「単なる観光地グルメだろう」と侮るなかれ、スパイスの調合は本格派で、サクサクのカツとコクのあるルーの完成度は現場取材陣の間でも非常に高い評価を得ています。食事のピークを外した11時前、もしくは13時30分以降に席を確保するのが賢明な現場戦略です。