和の花を飾る際、洋風のフラワーアレンジメントのような「足し算の構成(隙間を花で埋め尽くす手法)」をとると、和花特有の風情が損なわれます。最も重要なのは「余白」と「アシンメトリー(非対称)」の意識です。
千利休が残した「花は野にあるように」という言葉通り、作為を極力排し、植物が自生地で見せる自然な傾きや曲がりをそのまま活かすことが基本作法となります。
飾り方のポイントとして、以下の3つの原則を意識すると失敗がありません。
- 花器の素材感を空間に合わせる:備前焼や丹波焼などの「焼き締め陶器」は土の温かみを与え、竹の掛け花入は涼感と軽快さを演出します。モダンな空間には、あえて無機質なガラス器や黒マットなアイアン花器を合わせると、和モダンの洗練度が一気に増します。
- 「留め」と「高低差」:剣山を使わない「投げ入れ」の場合、器の縁に枝を引っ掛けるように配置し、1本は高く、もう1本は低く添えることで奥行きを作ります。
- 蕾(つぼみ)を愛でる:満開の花ばかりを集めるのではなく、固い蕾を交えることで、明日開く命の移ろいを鑑賞する楽しみが生まれます。