前澤友作氏によるお金配りが世に放たれたのは、株式会社ZOZOの社長を務めていた2019年1月5日のことでした。「ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を突破した」という記念を名目に、自身の公式Twitter(現X)アカウントにて「総額1億円(100万円を100人に)をお年玉として現金でプレゼントする」と発表。応募条件をアカウントのフォロー&該当ポストのリツイートとした結果、リツイート数は約468万件に達し、当時の世界記録を大幅に塗り替えました。
翌2026年元日には規模を総額10億円(1000人に100万円)へと一気に拡大。さらに同年春からは毎日誰かに10万円が当たる「毎日お金配り」を敢行し、2026年12月には国際宇宙ステーション(ISS)滞在中に「宇宙から全員お金贈り」を実施するなど、企画はエスカレートしていきました。途中で「施しのような響きを避ける」という理由から「お金配り」から「お金贈り」へと呼称が変更された点も当時の大きな話題です。
米経済誌フォーブスなどの推計によると、前澤友作氏の総資産額は約2,000億円〜3,000億円規模にのぼります。なぜこれほど莫大な私財を投じて現金を配り続けたのか。前澤氏は当時の記者会見や特番インタビュー、自著の中で以下のような動機を一貫して語っています。
「お金とは何なのかをみんなで考えるきっかけを作りたい。お金に縛られている人々の選択肢を広げ、ベーシックインカム的な実験として社会にどのような好循環が生まれるかを観察したかった」
単なるフォロワー獲得のための売名行為という批判に対し、本人は一貫して「資本主義の限界に対する問題提起」および「壮大な社会実験」と位置づけていました。