道具の物理特性を正しく理解すれば、強固に固着したピアスも耳に負担をかけずに取り外すことが可能です。医療機関へ駆け込む前に試す価値がある、ピアスが取れない時の道具活用裏ワザを紹介します。
第一の選択肢として圧倒的な効果を発揮するのが、ピアスの外し方ゴム手袋を使った手順です。手術用グローブや食器用ゴム手袋、あるいは指サックを装着してピアスに触れるだけで、素手とは比較にならない強烈な摩擦係数(グリップ力)が生まれます。指先のすべりが完全にゼロになるため、わずかな力でもポストとキャッチを確実に捉え、垂直に引き抜くことが可能になります。手順は至ってシンプルです。まず手を石鹸で洗い、水分を拭き取った後にゴム手袋を着用します。片手で前方のモチーフを固定し、もう片方の手でキャッチを真っ直ぐ後方へ引っ張るだけで、驚くほどあっさりと外れるケースが多々あります。
第二の裏ワザは「入浴による浸軟アプローチ」です。浸出液や皮脂の結晶化が原因である場合、ぬるま湯(38〜40度程度)に数分間耳たぶを浸す、あるいはシャワーの微弱な水流を当て続けることで、固まったタンパク質汚れがふやけて溶解します。十分にふやかした状態で、低刺激性の泡立てた石鹸を微量キャッチ周辺に馴染ませ、滑りを利用して優しく揺らしながら引き抜くと、痛みを伴わずに外すことができます。
第三に、バタフライキャッチの隙間が完全に潰れてしまっている場合は、安全ピンや細いデンタルフロスを活用します。キャッチ後方の丸い輪(ループ状の金具)部分にデンタルフロスを通し、モチーフ側を押さえながらフロスを後方へゆっくりと牽引すると、爪を傷つけることなくテコの原理で引き抜く力を均等に加えることができます。