山口智充が全国ネットのキー局から姿を消したように映る最大の転換点は、2026年3月の『にじいろジーン』(関西テレビ・フジテレビ系)の番組終了でした。足かけ12年間にわたりメインMCとして全国の朝を爽やかに彩ってきた長寿番組が幕を閉じたことで、視聴者の間で「ぐっさんをテレビで見なくなった」という印象が一気に定着した経緯があります。
一部のゴシップサイトやSNS上では「吉本興業の幹部と衝突して干された」「共演者とのトラブルがあった」といった根拠のない噂が一人歩きしました。しかし、当時の番組関係者やキー局制作ディレクターの証言を辿ると、終了の主因は制作費の効率化や若年層(コアターゲット)の獲得を狙ったフジテレビ系列全体の編成改革にすぎません。山口自身のスキャンダルや問題行動による降板ではないことは、業界内では周知の事実です。
決定的だったのは、平成から令和にかけて加速した「ひな壇バラエティ」への適応を本人が頑なに拒んだ点です。山口は過去のインタビューや出演番組の対談において、大勢の芸人がひな壇に並び、カンペや編集の都合に合わせて短い言葉でガヤを飛ばし合うバラエティの現場に対して、はっきりと違和感を表明していました。
「自分は与えられた決められたレールの上で立ち回るよりも、現場の空気を感じながら生身の人間と向き合い、モノ作りを丁寧に楽しみたい」という職人気質のこだわりが、テレビ局側の「安価で使い勝手の良いひな壇芸人を大量消費する」制作システムと自然に乖離していったのが実情です。つまり、「干された」のではなく、本人の美学に基づき消耗戦のテレビシステムから能動的に距離を置いたというのが取材から導き出される真実です。