みなみかわが披露するパフォーマンスを見るたび、誰もが抱く最大の疑問が「本当に痛くないのか?」という点です。テレビ番組でボクサーの強烈なボディブローやスタンガンの衝撃を受けても平然としている姿は、まるで超能力のように映ります。しかし、実際のところ彼自身は「しっかり痛い」と公言しています。
システマの基本理念において、痛みは「肉体の緊張」によって増幅されると考えられています。人間は衝撃を受ける瞬間、無意識に体を硬直させ、呼吸を止めてしまいがちです。この緊張こそが筋肉や内臓への局所的なダメージを深め、痛覚を鋭敏にさせます。システマの呼吸法(主に鼻から吸って口から細く長く吐き出す動作)を継続することで、全身の脱力を保ち、衝撃を全身へと分散させて痛みを逃す効果が生まれます。
つまり、みなみかわが行っているのは「痛覚の消滅」ではなく、「痛みを逃す呼吸法によって肉体的・精神的なパニックを最小限に抑える技術」です。痛烈な打撃を受けた直後、涼しい顔で「ふぅーっ」と息を吐きながら痛みを逃す一連のやり方は、まさにロシア武術の理にかなった身体操作の賜物といえます。