伝説となった第9話・第10話のクライマックス、荒谷二中での籠城と警察介入は、日本のテレビドラマ史上に残る怒号と悲鳴の泥沼だった。荒谷二中を追われ、桜中学に転校してきた加藤優。彼を「他の生徒を腐らせる不良」と決めつけ、暴力を伴う排除に走る荒谷二中の校長や教頭の姿勢こそが、まさに「腐ったミカン」の比喩そのものだった。
護送車に押し込められる加藤優の歪んだ表情、そして中島みゆきの名曲「世情」が流れるなか、スローモーションで描かれた逮捕シーン。警察の手錠が少年にはめられた瞬間、教育が敗北した冷酷なリアリティが画面全体を支配した。世間体を最優先し、問題の根本原因から目を背ける大人たちの保身。加藤優という一人の少年を追い詰めたのは、学校という閉鎖的組織が抱える冷淡なシステムだったのだ。