斎藤工の私服における最大のシグネチャーは、「モード」と「ヴィンテージ(古着)」の境界線を軽やかに融解させるスタイリングにあります。その中心軸に位置するのが、日本を代表するモードブランド「Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)」です。黒を基調としたアシンメトリーなカッティング、風を孕むような豊かなドレープを持つ Yohji Yamamoto の衣服は、彼の哲学的で思索的なパーソナリティと見事に共鳴しています。実際に Yohji Yamamoto POUR HOMME のコレクションモデルとしても登壇し、服が持つ思想を体現してきました。
一方で、彼が長年愛し続けているのがレトロな古着です。下北沢や高円寺の古着店、あるいは海外ロケの合間に買い付けたという年代物のミリタリージャケットや、クタクタに使い込まれたエスニックテイストのストールなどを巧みにミックスします。新品の既製服が持つ平坦さを嫌い、経年変化によって生まれた生地のシワや色あせに美を見出す姿勢は、ヴィンテージ愛好家からも一目置かれるポイントです。
また、顔まわりの印象を決定づけるアイウェア(眼鏡・サングラス)へのこだわりも徹底しています。「泰八郎謹製」などの職人系セルロイドフレームや、「白山眼鏡店」、さらにはクラシックな「MOSCOT(モスコット)」など、骨太で無骨ながらも知性を感じさせるクラシックなモデルを愛用。最新の無造作なパーマヘアやセンターパートの髪型と相まって、独特のニュアンスを醸し出しています。