日本国内で7万人規模の動員を狙える屋外施設として、常に比較対象に挙がるのが東京・神宮外苑に位置する国立競技場です。両者のキャパシティおよび鑑賞体験の差は、スタジアムの基本設計そのものに根ざしています。
観客席のキャパシティ単体で比較すると、日産スタジアムの常設7万2327席に対し、国立競技場は約6万8000席(音楽公演時はアリーナ開放を含めて約7万人前後)となっており、純粋な座席数では日産スタジアムに軍配が上がります。しかし、現場での見え方と体感には明確な差異が生じます。
国立競技場は3層構造のスタンドがすり鉢状に急傾斜で設計されており、上層階であってもピッチ方向への距離感が視覚的に圧縮されやすい特徴を持ちます。対して日産スタジアムは、広大な陸上トラックの外周に沿って2層スタンドが緩やかな傾斜で広がっているため、横の広がりが非常に大きく感じられます。さらに、日産スタジアムはスタンド全体の約4分の3が巨大な屋根に覆われていますが、前列やアリーナ席は雨風に完全に晒されるため、同じ巨大会場でも天候対策や視認性の面で異なる準備が欠かせません。