もし試験会場で緊張のあまり「人並みに…の先がどうしても思い出せない」という極限状態に陥ったらどうすればよいでしょうか。数学的な打開策として知っておくべきなのが、ルートの筆算である「開平法(かいへいほう)」の基礎アルゴリズムです。
開平法をマスターしておけば、電卓がない環境でも任意の平方根を自力で小数第何位まででも算出できます。$\sqrt{3}$ を求める手順は以下のステップで進みます。
ステップ1:小数点を基準に2桁ずつ区切る
求めたい数字「3」を、小数点を基準に「3 . 00 00 00...」と2桁ごとのペアに区切って並べます。
ステップ2:最初の桁を決める
2乗して3以下になる最大の整数を探します。$1^2 = 1$、$2^2 = 4$(オーバー)なので、商の最初の位は「1」になります。
$3 - 1 = 2$ となり、次の2桁「00」を下ろして「200」を作ります。
ステップ3:足し算と掛け算の組み合わせ
左側に最初の数「1」を足して「2」を作ります。
次に「$(20 + x) \times x$」が200以下となる最大の1桁の整数 $x$ を探します。
・$26 \times 6 = 156$
・$27 \times 7 = 189$
・$28 \times 8 = 224$(オーバー)
したがって $x = \mathbf{7}$ が選ばれます。これで商の小数第1位は「.7」と決まりました。
引き算は $200 - 189 = 11$ となり、再び「00」を下ろして「1100」を作ります。
ステップ4:小数第2位を求める
先ほどの「27」に「7」を足して左側を「34」にします。
「$(340 + y) \times y$」が1100以下になる $y$ を探します。
・$343 \times 3 = 1029$
・$344 \times 4 = 1376$(オーバー)
よって $y = \mathbf{3}$ です。これで小数第2位が「3」となり、値は「1.73」まで確定します。
この反復アルゴリズムを続けるだけで、確実に「1.732...」を導き出せます。開平法は一度ルールを理解してしまえば、ノートの余白で1分もかからずに計算可能です。「いざとなれば筆算で出せる」という精神的な安全基地を持つことが、入試本番でのメンタル安定に直結します。