ケンタロウ氏の目覚ましい回復の背景には、2010年に結婚したフードスタイリストの妻・大川雅子さんの存在があります。事故発生直後から、大川さんは仕事をセーブしながら毎日のように病院へ通い詰め、献身的に介護を続けました。
療養生活が長期化するにあたり、大川さんは自宅を徹底してバリアフリー仕様へと改修。住み慣れた空間でリラックスして療養できるよう環境を整え、栄養バランスはもちろん、ケンタロウ氏が「美味しい」と感じる視覚的・味覚的な刺激を大切にした食事づくりを続けてきました。
また、ケンタロウ氏の料理哲学の原点には、伝説の料理研究家であり実母の故・小林カツ代氏の存在があります。小林カツ代氏自身も2005年にくも膜下出血で倒れ、長期の闘病生活を送った末に2014年に他界しました。「美味しく食べることは、生きることそのもの」という母の力強い教えは、闘病中のケンタロウ氏の精神的な支柱となり、食べる喜びを通じたリハビリへの原動力となっています。