単なるゲーム内の誤翻訳ログが、なぜこれほどまでに不穏なニュースのような扱いを受け、大規模な炎上と拡散を招いたのでしょうか。その経緯解説を時系列で辿ると、ネット特有の情報増幅バイアスが見えてきます。
発端となったのは、とある匿名掲示板に投下された1枚のスクリーンショットでした。薄暗いゲームグラフィックを背景に、システムフォントで無機質に「人だね 殺します」とだけ表示されたチャットウィンドウの画像は、その文脈の分からなさと不気味さから瞬く間に5ちゃんねるのスレッドを席巻。恐怖を掻き立てられたユーザーの手によってX(旧Twitter)へと転載され、数万件規模のリポストを記録することになります。
拡散の過程で文脈が脱落し、「深夜に謎のアカウントから突然届く不気味なDM」「AIが人類排除を宣言したログの流出」といった尾ひれがついた虚構のストーリーが一人歩きを始めました。さらに、まとめサイトやショート動画クリエイターが「ネットで絶対に検索してはいけない言葉」の亜種としてコンテンツ化したことで、若年層を中心に「実在する殺人鬼のメッセージ」という誤解が定着してしまったのが実情です。