2026年現在、香川照之を取り巻く環境は決して平坦ではない。数年前の私生活におけるトラブル報道以降、テレビメディアからの露出は激減した。しかし、彼が生きる場所は画面の中だけではなかった。むしろ、逆風が吹き荒れる中で、彼は歌舞伎の舞台に自らの骨を埋める覚悟をより一層深めているように見える。
古典芸能の厳しい世界において、中高年からスタートした彼の技術的なハンデは小さくない。それでも、泥臭く舞台にしがみつき、一歩一歩役を深めていく姿は、観客の心を揺さぶり続けている。逆境に立たされた時こそ真価を発揮する――その不屈の精神は、まさに母から受け継いだDNAそのものである。