捜査関係者の間で密かに共有される「ターゲットリスト」の存在は、単なる噂ではない。数カ月前から都内の繁華街や高級住宅街周辺で、覆面パトカーや捜査員の張り込みが急増している。関係筋によると、現在リストの上位に浮上しているのは、映画界で主演級を務める実力派俳優Xや、国民的グループの元メンバーYといった著名人たちだ。
彼らがマークされる発端は、売人の供述や通信履歴の解析、あるいは業界近辺からのリークにある。内偵調査は数カ月から1年以上に及ぶことも珍しくない。確たる証拠を掴むまでは決して動かないのが当局の鉄則であり、家宅捜索や職務質問のタイミングを慎重に計り続けている。
周囲のスタッフや所属事務所も異変に気づき始めている。急な体調不良による撮影のキャンセル、激しい情緒の起伏、不審な交友関係。疑惑を察知した事務所が急遽契約を解除したり、メディア露出を控えさせたりするケースも後を絶たない。水面下の情報戦はすでに最終局面に突入している。