2000年12月、香港高等法院(高等裁判所)において下されたハローキティ事件の判決は、香港市民に大きな議論を巻き起こしました。陪審員団の下した評決は、事前の大方の予想であった「謀殺罪(殺人罪)」ではなく、「過失致死罪(誤殺罪)」の一致認定だったためです。
なぜ極刑に相当する謀殺罪が成立しなかったのか。その法的な理由は、加害者らによる遺体の損壊があまりに徹底していたため、法医学鑑定において「どの暴行が直接の致命傷になったのか」「薬物の過剰摂取か、暴行による内臓破裂か、あるいは衰弱死か」を厳密に科学的立証することが不可能だった点にあります。英米法系の厳格な証拠裁判主義のもと、計画的殺意の直接証拠が不足していると判断されました。
しかし、裁判長を務めたピーター・グエン(阮雲道)判事は判決言い渡しに際し、「被告らの行為は極めて残忍、凶虐、冷酷であり、人間の尊厳を完全に踏みにじるものである」と厳しく断罪。過失致死罪における最高刑である終身刑(最低服役期間20年)を被告3名全員に言い渡しました。
ハローキティ事件の犯人の現在については、それぞれの受刑者の間で状況が分かれています。
- 主犯格・チャン・マンロク(陳文楽):終身刑の判決を受け、刑務所内で長期服役を続けています。最低服役期間を経過した後も、犯行の重大性と反省の度合いから仮釈放審査は極めて厳格に取り扱われています。
- 第2被告・リョン・シンチョウ(梁勝祖):2003年に量刑不当を理由に上訴し、2004年の再審理で刑期が懲役18年に減刑されました。模範囚としての服役を経て、2014年頃にすでに出所したと現地メディアによって報じられています。
- 第3被告・リョン・ワイナン(梁偉倫):事件当時未成年(19歳)であったものの、犯行の凶悪性から成人同様に裁かれ終身刑となりました。服役を継続し、定期的な保護観察審査の対象となっています。