一方で、深刻な問題となっているのがアスペルガーの芸能人に関する噂の真相です。ネット上のキュレーションサイトや掲示板では、診断の公表など一切していない人物が、独断と偏見によって「アスペルガー疑惑の芸能人」としてリストアップされる悪質な事態が横行しています。
例えば、さかなクンや黒柳徹子氏、イチロー氏など、一つの分野に突出した才能を発揮する著名人や、独特のテンポで会話をするタレントがターゲットになりがちです。「こだわりが強い」「空気を読まない」「マイペース」といった表面的な特徴の断片だけを切り取り、勝手に診断名を当てはめる行為は、医学的にも倫理的にも極めて危険です。
経済評論家の勝間和代氏のように自らADHDを公表しているケースでも、ネット上では「アスペルガー」と混同されて拡散される事例が多発しています。ASD(アスペルガー)とADHD(注意欠如・多動症)は併発することもありますが、特性の根本は異なります。芸能人のアスペルガー公式発表と、ネット上の無責任な憶測には決定的な隔たりがあることを、読者は厳しく見極めなければなりません。