階段を降りた地下空間に現れるのは、全長十数メートルにも及ぶ巨大な船型の客席だ。周囲の生け簀には、アジ、タイ、ヒラメ、さらには季節の高級魚が所狭しと泳ぎ回る。客は席に着くや否や竿を手に取り、エサ釣りや引っ掛け釣りに挑む。都会のど真ん中にいながら、まるで船釣りに出航したかのような錯覚に陥る仕掛けだ。
針にかかった魚が銀鱗を躍らせて水面を割ると、スタッフが駆け寄り「祝栄(めでた)や!」の掛け声とともに太鼓を連打する。周囲の客からも自然と拍手が湧き起こる。見ず知らずの客同士が釣果の一瞬でつながる連帯感。これこそが、単なる海鮮居酒屋とは決定的に異なるざうおの真骨頂といえる。