世間を驚かせた電撃入籍の発表は、2011年8月8日のことでした。双方の公式Webサイトを通じて同時に報告されたメッセージには、虚飾のない率直な言葉が並んでいました。
当時36歳だった鈴村健一は、坂本真綾について「聡明でエネルギーに満ちあふれ、一緒にいるととても穏やかな気持ちになれる人」と表現。一方、31歳だった坂本真綾もまた「彼といると自然体の自分でいられる。これからの人生を共に歩んでいきたいと思える人」と綴りました。約5歳の年齢差(学年では5学年差)がありながら、上下関係や依存関係を感じさせない、対等で成熟した言葉の選び方に、業界内外から賞賛の声が集まりました。
結婚の決め手となった本質は、若手時代からの長い下積みとトップシーンでの孤独なプレッシャーを、同じ目線で分かち合える「絶対的な安心感」にありました。声優という職業は、常に声のコンディションやオーディションの合否に晒される極めてシビアな世界です。家庭に戻った際、余計な説明を要さずとも痛みを理解し合えるパートナーの存在は、ふたりにとってかけがえのない精神的支柱となりました。