術後すぐには目立たなかった違和感が、時間の経過とともにY字となって浮き彫りになるケースもある。その代表的な原因が、生体反応によって引き起こされるカプセル拘縮だ。
体内に異物が挿入されると、生体防御反応により周囲に線維性の被膜(カプセル)が形成される。この被膜が過剰に分厚く収縮すると、バッグが球状に締め付けられて硬化し、胸の中央や上部へと押し上げられる。結果としてバストの可動性が失われ、無理に寄せた際に引きつれたような歪なY字の陰影が固定化してしまう。日本美容外科学会 (JSAS/JSAPS)の学術報告でも、被膜拘縮の発生率低減や早期発見に関するプロトコルが常に議論の対象となっている。
加齢や急激な体重減少によってデコルテの皮下脂肪が薄くなることも、境界線を際立たせる一因だ。挿入当時は組織に覆われて隠れていたバッグのエッジが、皮下組織の減少に伴って露出し、年月の経過とともに谷間の不自然さが増していくという皮肉な現実も見逃せない。