暗闇がほの明るい群青色へと変わる午前6時、明石沖のメインポイントに到達した春日丸の甲板には張りつめた緊張感が漂っていた。この日、見事な手返しの良さで竿頭に輝いたベテランアングラーは、回収したばかりの仕掛けを手に笑みをこぼす。「今日のヒットパターンは、水深70メートルから60メートルにかけてのわずか10メートルのゾーン。そこをいかにスローピッチで誘い続けられるかが勝負の分かれ目だった」
爆釣のキーとなったのは、通常のタチウオテンヤだけでなく、潮の速さに合わせて投入したタチウオジギングの組み合わせだ。潮が緩んだ一瞬のタイミングで見せたフォールアクションに対し、タチウオが猛烈に反応したという。さらに船長からの指示タナを過信せず、探見機のアタリ反応を見ながら刻々と変化するタナの探り方を微調整したことが、圧倒的な差を生んだ要因だった。