こうした意識の変化を受け、人材サービス・キャリア教育業界の最前線でも「苦労の質」を見極める教育指導が主流となっている。従来のように「下積みを耐え抜くこと」を美徳とする文化は影を潜め、どのスキルを習得し、どのような市場価値を構築できるかがシビアに問われるようになった。
キャリアカウンセラーらの分析によれば、自己目的化した理不尽な業務命令や、単なる労働時間の消化は「害悪な苦労」として明確に区別されるべきだと指摘されている。市場が求めるのは、自らのキャリアビジョンに寄与する課題解決のプロセスを自主的に経験することであり、組織による一方的な負荷の押し付けではない。