TVアニメ第2期の幕開けを飾った『Reason Living』を手掛けたのは、声優としても類まれな歌唱力を誇る林勇(勇-YOU-)と、数多くのヒット曲を生み出す音楽プロデューサー太田雅友(雅友)によるユニット「SCREEN mode」です。作詞を担当したのは、数々の名作アニメソングで登場人物の内面をえぐり出す言葉を紡いできた松井洋平氏。この強力な布陣によって生み出された本曲は、単なるタイアップソングにとどまらない、剥き出しの人間描写が宿っています。
タイトルである『Reason Living』について、英文法的な見地から「なぜ“Reason for living”ではないのか」という議論がネット上で度々交わされてきました。関係者の証言や当時の制作インタビューを踏まえると、ここには明確な意図が存在します。名詞句としての「生きる理由」という静止した目的ではなく、「Reason」と「Living(今まさに呼吸し、足掻き、生きている状態)」をダイレクトに衝突させることで、「生きているという事実そのものが、すでに闘う理由なのだ」という強烈なダイナミズムを表現しているのです。和訳として解釈するならば、「呼吸し続けることの証明」「足掻く命の根拠」と呼ぶのがふさわしい響きを持ちます。
制作当時の秘話として語り草となっているのが、ボーカル勇-YOU-がレコーディング時に込めた鬼気迫るテンションです。雅友氏が手掛けたテクニカルかつ哀愁を帯びたメロディラインに対し、勇-YOU-は「綺麗に歌うこと」を意図的に放棄しました。喉を削るかのようなシャウトと、絞り出すようなエッジボイス。そこには、第2期の冒頭で描かれた「黒の時代」の凄惨な結末、そして続くギルド編で理不尽な宿命に立ち向かう武装探偵社の泥臭い戦いがそのまま投影されています。
歌詞の中に散りばめられた「過去を嘆く言葉」を断ち切り、「今この腕で何を守るのか」を問いかけるフレーズ群は、作品世界を超えて、現代社会で自己否定の渦に飲み込まれそうになるリスナーの防波堤として機能し続けています。