一方で、華やかな宣伝文句の裏には、実際に使い始めたユーザーだけが直面する現場特有の苦悩や摩擦が存在します。SNS、ネット掲示板、大手知恵袋サービスに投稿された数千件の口コミや、編集部が実施した独自ヒアリングから浮かび上がった生の声を見てみましょう。
肯定的意見の大半は、生活の認知的負荷が激減したことへの賞賛です。「冬の朝、起きる30分前に暖房が入り、目覚ましアラームとともに自動でカーテンが開く生活に戻ることはもう不可能」「子育てで両手が塞がっているときに、声だけで照明をつけたりタイマーをセットしたりできる機能に何度も救われた」という体験談は枚挙にいとまがありません。
しかし、取材班が注目したのはむしろ以下のような否定的な本音や落とし穴です。
「自宅のWi-Fiルーターに不具合が生じた瞬間、家中のスマートロックが開かなくなり、電球のスイッチすら反応しなくなってパニックになった」「声で家電を操作することに家族が気恥ずかしさを感じており、結局壁の物理スイッチを押してしまう」「アプリのアップデート後に連携が突然切れ、休日に半日かけて再設定する羽目になった」
デジタル機器はネットワークという見えない糸で繋がっているがゆえに、回線トラブルやクラウド障害が発生した瞬間に機能が麻痺する脆弱性を抱えています。家族全員が同等のデジタルリテラシーを持っていない場合、設定した本人以外が操作不能に陥る「家庭内デジタルデバイド」を引き起こすリスクも浮き彫りになっています。