歌詞検索データベースの『歌ネット』や『UtaTen』に掲載されている指原莉乃の作詞楽曲一覧を俯瞰すると、その多作ぶりとジャンルの広大さに圧倒されます。正統派王道アイドルソングから、背徳的なダークチューン、青春の爽快感を突き詰めたナンバーまで、プロデュースする3グループのカラーを見事に描き分けています。
指原莉乃のペンが最大の輝きを放った転換点として、ファンの間で今なお語り草となっているのが、2018年に発表されたイコラブの3rdシングル『手遅れcaution』です。それまでの王道アイドル路線から一転、禁断の感情と狂気的な執着を描いたこの楽曲は、「アイドルの枠を完全に破壊した衝撃作」として音楽評論家からも高い評価を受けました。赤く染まる夕暮れの教室、サイレンの音、取り返しのつかない衝動といった重厚なモチーフを10代の少女たちに歌わせる覚悟は、指原莉乃という作詞家の非凡さを決定づけました。
一方、ノイミーにおける指原莉乃の作詞代表曲として名高い『君はこの夏、恋をする』や『初恋カムバック』では、息苦しいほどの青春の疾走感と、言葉にできない片思いの熱量を瑞々しく描写。さらに第3のグループであるニアジョイの作詞を指原莉乃が手掛ける際には、『超孤独ライオン』や『初恋シンデレラ』に見られるような、新世代らしいタフな意志や無骨なまでの情熱を投影しています。2026年時点の最新曲に至るまで、その筆致は衰えるどころか、時代ごとの若者言葉やコミュニケーションツールの変化を柔軟に取り込みながら進化を続けています。