一時期は駅前やロードサイドを埋め尽くした唐揚げ専門店の看板が、ここ数年で相次いで姿を消した光景を目にした方も多いはずです。東京商工リサーチや帝国データバンクが発表した飲食店の倒産・休廃業動向によると、持ち帰り専門の唐揚げ店における淘汰は2026年から2026年にかけてピークを迎えました。ブームの過熱による急激な出店競争に加え、輸入鶏肉の仕入れ価格上昇やキャノーラ油をはじめとする食用油の価格高騰が、薄利多売モデルを直撃したことが背景にあります。
タピオカブームの終焉と重ね合わされることも多かった唐揚げ業界ですが、市場から消えたのは「手軽なFCパッケージに乗っただけの凡庸な店舗」でした。日本の家庭食において唐揚げは一過性の流行ではなく、日常の食卓を支える国民食です。2026年現在、生き残った店舗は単なるテイクアウト専門から脱却し、店内にイートインスペースを確保して定食需要を取り込むか、あるいは徹底した地域密着でファンを囲い込む独自路線を確立しています。
現在営業を続けている店舗は、過酷な淘汰を生き抜いた精鋭ばかりです。原価高騰に屈せず、鶏肉のドリップ処理から下味の熟成時間、衣の配合比率に至るまで、職人技と呼べるレベルの差別化を実現した店舗だけが、今日も香ばしい匂いを街に漂わせています。