「空のホルモンは、胃もたれせずにいくらでも食べられる」という常連客の声は、単なる気のせいではありません。そこには徹底した下処理と、門外不出のタレの配合という確かな論拠が存在します。焼肉ホルモン空秘伝のタレと仕込みの真相を取材すると、職人の並々ならぬ執念が浮かび上がってきます。
ホルモンの鮮度管理はもちろんのこと、臭みを完璧に取り除くための丁寧な水洗いと余分な脂のトリミングが毎日寸分違わず行われています。そして最大の武器が、あっさりとした醤油ベースに柑橘類の酸味と香味野菜を効かせた「つけダレ」です。多くの焼肉店で見られる濃厚で甘辛い粘度の高いタレとは一線を画し、サラリとしたタレに潜らせることで、脂の多い部位でも驚くほど爽快な後味へと昇華されます。
部位ごとに使い分けられる揉みダレの塩梅も絶妙で、肉本来の弾力や旨味を殺さず、噛みしめるほどに素材の甘みが口いっぱいに広がる設計が施されています。この「洗練された軽快さ」こそが、時間制90分の中で何皿も追加注文してしまう中毒性を生み出しているのです。