なぜこれほどまでに世界中で戦争が止まらないのでしょうか。その背景には、領土や民族対立といった直接的要因だけでなく、国際システム全体の構造疲弊が存在します。
第一に挙げられるのが、国連安全保障理事会の機能不全です。世界の平和維持を担うはずの常任理事国(米・英・仏・露・中)自身が当事者、あるいは当事国の後ろ盾となっているため、重要決議に対して拒否権が乱発され、制裁や停戦勧告が一切通らない構造的麻痺に陥っています。
第二に、アメリカの相対的な影響力低下に伴う「力の空白」と多極化です。かつての「世界の警察」が不在となる中、地域の覇権を狙う中堅国家や権威主義国が、自国の軍事力で既成事実を作ろうとする動きを抑止できなくなっています。
第三次世界大戦の現実味についても、米露、米中の直接軍事衝突へのエスカレーション懸念は冷戦期以来最高レベルに達しています。偶発的な軍事衝突が同盟関係を通じて世界規模に拡大するリスクを防ぐため、水面下の外交チャンネル維持がかつてなく試されています。