メディアやネットフックで散見される「ADHDは全員が天才肌」「発達障害こそが次世代の成功者」といった過度なロマンティシズムには、重大な危険性が潜んでいます。
まず警戒すべきは、「天才でなければADHDとしての生きづらさを認めてもらえない」という二次的な心理的プレッシャーです。誰もがスティーブ・ジョブズのようなカリスマになれるわけではありません。高い知能を持っていたとしても、遂行機能障害(実行機能の低下)によって日常の生活基盤が崩壊してしまえば、深刻な自己否定やうつ病などの二次障害へと直結します。
また、知能の高さが逆に仇となり、幼少期や学童期に「頭が良いから努力不足なだけ」「やればできるのにサボっている」と周囲から誤認され、適切な診断や支援を受けられないまま大人になり、社会に出てから急激に適応不全を起こすケースも後を絶ちません。