蜜璃が鬼殺隊に入隊した動機は、一見すると「添い遂げる殿方を見つけるため」という明るいものに思えますが、その背景には深い自己否定と苦悩に満ちた過去が存在します。
好物の桜餅を1日170個、8か月食べ続けたことで髪色がピンクと黄緑に変化し、常人離れした怪力と大食い体質を持っていた蜜璃は、17歳のときにお見合いを経験します。しかし相手の男性から「その髪色や怪物は子供に遺伝する」「君と結婚できるのは熊や猪くらいだ」と心無い言葉を浴びせられ、破談となってしまいました。
深く傷ついた蜜璃は、自分を偽る道を選びます。髪を黒く染め、息も絶え絶えになりながら食事を極限まで減らし、か弱い女性のふりをして再び見合いに臨みました。その結果、結婚を望む男性が現れますが、彼女の心には「一生自分を偽り続けて生きていくのか」という強い葛藤が生まれます。
そんな折、産屋敷耀哉(お館様)と出会ったことで運命が劇的に変わります。お館様は彼女の特異体質を否定せず、「素晴らしい力だ。自分を偽る必要はない、誇りなさい」と温かく肯定しました。ありのままの自分を受け入れてもらえる場所、そして自分の強さで人を守れる場所として、蜜璃は鬼殺隊という生きる道を選んだのです。