総務省の家計調査において、かつて1世帯あたりの年間うなぎ消費量で日本一を幾度も記録した津市。市内には現在も20軒以上の専門店がひしめき合い、日常的な外食としてうなぎを食べる文化が根付いています。津市のうなぎは、背開きにして蒸さずに炭火でパリッと焼き上げる「関西風の地焼き」が主流です。表面は香ばしくクリスピーでありながら、中は肉厚でジューシーな脂の旨味が閉じ込められています。
中でも津市うなぎ名店評判の筆頭として全国に轟くのが、行列必至の「うなふじ」と、大正初期創業の老舗「新玉亭」です。うなふじは、開店の1時間以上前から県外ナンバーの車が駐車場を埋め尽くすほどの人気ぶりで、甘辛くキレのある秘伝ダレと炭火の香ばしさが絶賛されています。一方の新玉亭は、名物の「中盛り」「大盛り」ご飯が漫画のような山盛りで提供されることでも知られ、圧倒的なボリュームと上質な味わいで世代を超えて愛されています。
「東京や京都の高級店なら5,000円から6,000円は下らないクオリティの特上うな重が、津市では3,000円前後で食べられる」と、食通が足繁く通うのには明確な経済的合理性があります。良質な養殖場を抱える三河や浜名湖、さらには三重県南部の水脈に近い地理的優位性と、薄利多売を貫いてきた職人たちの矜持が、この驚異的なコストパフォーマンスを支えています。