幾重にも重ねた漆の層を研ぎ出すことで独特の斑点模様が浮かび上がる津軽塗。青森の職人が数十もの工程と数ヶ月の歳月を注ぎ込んで仕上げるこの塗物は、圧倒的な堅牢さと美しさを誇る。近年の限定コラボでは、現代の洋食卓にもマッチするマットな質感のタンブラーやカトラリーへと姿を変え、若年層のファンを急増させている。
一方、岩手が世界に誇る南部鉄器もまた、鮮烈な変革を遂げた。鉄分補給や高い保温性といった機能面はそのままに、現代のキッチンで使いやすい軽量化や、北欧デザインを思わせるニュアンスカラーのケトルが誕生。一見するとスタイリッシュな北欧雑貨のようでありながら、その内側には数百年の歴史を誇る鋳造技法がしっかりと息づいている。東北の厳しい冬を温めてきた道具の真価が、現代的なアレンジによって見事に花開いた形だ。