全国規模のキャラクターフェスティバル――例えば滋賀県彦根市の「ご当地キャラ博」や埼玉県羽生市の「世界キャラクターさみっと」の現場に足を踏み入れると、北海道勢のブース前には異様な熱気が渦巻いています。道外のファンにとって、普段なかなか生で見ることのできない北海道の怪異キャラたちは、まるで伝説のUMA(未確認生物)に遭遇したかのようなプレミアム感を放っています。
現地を訪れたファンに話を聞くと、「メロン熊に頭を噛まれるために朝から新幹線に乗って並んだ」「ずーしーほっきーの予測不能な動きを見ていると、日頃の仕事のストレスが吹き飛ぶ」といった熱狂的な証言が次々と飛び出します。ネット掲示板やSNS上でも、「生で見ると意外と毛並みが綺麗」「狂気の中にプロ意識を感じる」といった好意的なレビューが目立ちます。
しかし、当事者である道内市町村の現場に視点を移すと、事情は少し異なります。北海道市町村公認キャラクターを巡っては、世代間での評価の分断が長年議論されてきました。北斗市のある市民有志は「最初の数年間は、市外の人から『お前の町のキャラ、気持ち悪いな』とからかわれて居心地が悪かった。だが、新幹線開業から年月が経ち、全国放送の特番で何度も取り上げられるうちに、今では誇らしく思えるようになった」と心情の変遷を吐露します。
行政側の文書や議会答弁記録を検証しても、北海道庁の総合政策部知事室広報広聴課が推進するような「北海道カーボン・クレジット」の普及ロゴや公的シンボルマークと、現場発のバイラルキャラクターとの間には明確な思想的乖離が存在します。公の規律を重視する行政機関と、何が何でもバズを生み出して地域を生き残らせようとする現場の熱量――そのせめぎ合いこそが、北海道キャラクターのリアルな推進力となっているのです。