定期テストの後半や高校入試、高校の化学基礎で受験生の差がつくのが、「水を加えて薄める(希釈)」「水を蒸発させる」「密度を用いた計算」の3パターンです。これらを攻略するための共通ロジックは、「操作の前後で何が変わっていないか」を見極めることにあります。
希釈と蒸発:不変なのは「溶質の質量」
水溶液に水をいくら加えても、あるいは水をいくら蒸発させても、溶けている食塩(溶質)の重さは1ミリグラムも変わりません。この「溶質不変の原則」こそが方程式を組み立てる唯一の鍵です。
【例題】15%の食塩水300gに水を加えて10%の食塩水にしたい。何gの水を加えればよいか?
まず、元の食塩水に含まれる溶質の質量を計算します。
300g × 0.15 = 45g
水を $x$[g]加えた後も、食塩の重さは45gのままです。できた溶液全体の質量は(300 + $x$)[g]となります。
したがって、以下の等式が成り立ちます。
45 ÷(300 + $x$)× 100 = 10
これを解くと、$300 + x = 450$ となり、$x =$ 150g と求められます。
密度(g/cm³)から質量パーセント濃度への変換
高校化学で多くの学習者が壁にぶつかるのが、水溶液の体積[cm³またはmL]と密度[g/cm³]が与えられるパターンです。ここでパニックを起こさないための鉄則は、「密度とは、体積を質量に変換するための両替機である」と認識することです。
水溶液の体積が $V$[cm³]、密度が $d$[g/cm³]である場合、水溶液全体の質量は次のように変換されます。
溶液の質量[g]= 体積 $V$[cm³]× 密度 $d$[g/cm³]
液体の「かさ(体積)」に密度を掛けて「重さ(質量)」へと変換した上で、質量パーセント濃度の分母に代入する。この1ステップの回路を確立することが、高校化学計算を突破する絶対条件です。