企業の隠蔽工作や内部告発者の孤独な戦いは、長年にわたりエンターテインメントや実録メディアのテーマとして描かれてきた。大企業の構造的欠陥と組織の不条理に立ち向かう人々の姿を描いたベストセラー小説『空飛ぶタイヤ』は、映画やドラマを通じて多くの人々に「組織と個人のあり方」を深く問いかけた。こうしたフィクション作品の背後には、串岡氏をはじめとする現実の告発者たちが支払った甚大な犠牲が存在する。
映像コンテンツが果たす役割も年々重みを増している。NHKが制作する数々の社会派ドキュメンタリー番組では、組織の壁に阻まれながらも事実を公表した人々の知られざる苦悩と、その後の葛藤が克明に描かれてきた。理不尽な圧力に対して勇気を持って立ち上がった個人の記録は、時代を超えて人々の胸を打ち続けている。