なぜ人気女優は突如として表舞台を去り、渦中の人物となったのか。その真相の背景には、彼女自身の強い思想のシフトが存在した。芸能活動の傍ら、フリーダイビングの世界的コンペティションで銀メダルを獲得するなど、自然との共生を深く追求していた彼女は、次第に都市型の消費社会や芸能界の構造に疑問を抱くようになる。やがて名義を本名の益戸育江へと改め、石垣島での自給自足的なエコライフへと舵を切った。
しかし、彼女が傾倒していったのは単なるオーガニックな暮らしにとどまらなかった。海外の先進事例を根拠に、大麻草の有用性や医療目的での活用を訴え始めたのだ。参議院議員選挙に政党公認で立候補し、医療大麻の解禁を公約に掲げて出馬した行動は、当時の世間を大いに驚かせた。その直後にマトリ(厚生労働省麻薬取締部)の手入れを受け、大麻取締法違反容疑で逮捕された一連の経緯は、彼女の目指した運動と現実の法壁が決定的に衝突した瞬間だった。