最高時速300km前後で走る東海道新幹線と何が異なるのか。最大の相違点は「摩擦の有無」と「動力の置き場所」にある。新幹線は架線から電気を取り込み、自車のモーターで車輪を回して走る。対するリニアモーターカーは、車両自体には駆動用モーターがなく、地上側の設備が磁界を変化させて推進力を生み出す。いわば、線路全体が巨大なモーターの役割を果たしているのだ。
摩擦が存在しないメリットは計り知れない。タイヤや磨耗部品の頻繁な交換作業から解放され、長期的なコスト構造は大きく変貌する。雨や雪といった悪天候の影響も極めて受けにくい。何より、万が一の大地震発生時にも脱線のリスクを劇的に抑えられる点が、従来の鉄道事業とは一線を画す安全上の強みとなっている。