この一連の愛憎劇の渦中にあり、誰よりもその平和を願っていたであろう存在が、愛する家族を残して旅立った小林麻央さんだ。彼女の存在こそが二人を繋ぐ最大の絆であり、同時にその喪失こそが双方の歩む道を決定的に分かつ要因ともなった。
麻央さんの生前、二人は彼女を支えるために一丸となって病魔と闘っていた。しかし、かけがえのない存在を失った後、残された者たちが抱く「哀悼の形」や「子供たちの未来に対する考え方」の違いが徐々に表面化していく。遺された愛児たちの健やかな成長を第一に願う思いは共通していたはずであるにもかかわらず、表現方法や価値観の決定的な相違が、修復困難なすれ違いを生み出してしまったと言わざるを得ない。