慶應義塾大学矢上キャンパスへのアクセスは、日吉駅(東急線・横浜市営地下鉄グリーンライン)から徒歩約15分の距離に位置します。日吉キャンパス(日吉記念館や第一校舎側)とは綱島街道や矢上川の谷を挟んで隣接しており、同じ「日吉エリア」にありながら独自の移動動線を持っています。
多くの学生が利用する一般的なルートは、日吉駅東口から日吉キャンパスのグラウンド脇(塾生会館方面)を抜け、一度急な階段や坂を下りて矢上川を渡り、再び矢上の丘へと登り返す行程です。この最後の急坂こそが、理工学部生の間で知られる「矢上坂(やがみざか)」です。
毎日の登下校におけるリアルな現場感覚として、このアップダウンは想像以上の負荷となります。取材に応じた理工学部3年生は次のように語ります。
「1・2年次に日吉キャンパスの平坦な校舎へ通っていた感覚のまま3年春を迎えると、矢上坂の洗礼を受けます。1限の開始直前は坂の階段が理工生で埋まり、夏の蒸し暑い時期はキャンパスに着くだけで息が上がるほどです。ただ、裏手の住宅街を抜けるなだらかな迂回ルートや、駐輪場を利用した自転車通学を組み合わせることで負担を減らす知恵が代々受け継がれています」
雨天時や荷物が多い日は、綱島街道沿いから矢上川沿いの平坦な道を進み、エレベーター設備を備えた棟へとアプローチする裏ルートを選択する学生も少なくありません。日吉駅からの徒歩移動は、単なる移動時間以上に「足腰が鍛えられる登校ルート」として定着しています。