SNSや大手レビューサイトで時折見かける「着けると余計に暑い」という声。この現象の背景には、接触冷感素材が持つ特性と使用環境のミスマッチが存在します。
接触冷感とは、生地そのものが冷気を発しているわけではなく、肌から生地へ熱が移動する移動量(熱伝導率)の高さによって「冷たい」と知覚する仕組みです。この熱移動の指標が「q-max(最大熱吸収速度)」と呼ばれ、一般的に0.2W/㎠以上で接触冷感性能があると認められます。
肌に触れた瞬間に熱を奪った生地は、熱を外気へ放出しなければ温度が上昇します。そのため、無風状態の室内や湿度が極めて高い環境では熱の放出が滞り、生地自体が体温で温まって「逆に暑い」と感じる結果に繋がります。外気の風や身体の動作に伴う空気の流れがあって初めて、冷感性能は持続的に機能します。