事態が加速度的に過熱した最大の原動力は、当時のネットプラットフォームと人気漫画の存在だった。当時爆発的な普及を見せていたアメーバブログは、芸能人がプライベートを発信する主戦場であり、ファンとの距離を極限まで縮めるメディアだった。一方で、匿名掲示板の2ちゃんねるでは、ユーザーたちが不吉な「一致」を面白がり、タイムライン形式でまとめを作成。これが一気に拡散した。
人気漫画『デスノート』の存在も、このブームに油を注ぐ格好となった。名前を書かれた人間が死に至るというフィクションの概念が、彼女のブログと重ね合わされ、「実在するリアルデスノート」としてラベル貼りされたのだ。ポップカルチャーのパロディとして始まった遊びが、ネットコミュニティの集合知と悪意によって補強され、ひとつの巨大な物語へと化けていった瞬間だった。