足利の街を歩くと、行政と地域住民が一体となった手厚いおもてなしの心に触れることができる。足利市観光協会が中心となって展開してきた観光アピールは、単なる観光地誘致の枠を超え、作品の価値を地域全体で守り育む取り組みへと進化してきた。
その象徴と言えるのが「渡良瀬橋歌碑プロジェクト」によって設立された歌碑だ。橋のたもとに設置された碑のボタンを押すと、渡良瀬川の川面に響き渡るように名曲が流れ出す。夕暮れ時になると、ボタンを押す順番を待つファンの姿が絶えない。地元有志による定期的な清掃活動や維持管理が実を結び、聖地巡礼に訪れる人々を温かく迎え入れる文化が完全に定着している。