高校横綱のタイトルを提げて貴乃花部屋に入門して以降も、純子さんのサポート姿勢が変わることはなかった。角界という厳しい縦社会において、親族が出しゃばることは禁物である。彼女はその一線を厳格に守り、メディアの過剰な取材要請に対しても謙虚な姿勢を貫いた。
場所中に息子が怪我を負えば影で祈り、勝ち星を重ねれば静かに喜ぶ。大関昇進が決まった伝達式の際も見せた控えめでありながら凛とした佇まいは、「角界の母」としての理想像として多くの相撲ファンから絶賛された。息子が土俵上で見せる「一切の言い訳をしない」潔い態度は、母の背中から学んだ美学そのものだった。