かつて一大ラーメンブームを巻き起こした環七通り。無数の名店が生まれては消えていったこの街道沿いで、変わらぬ存在感を放ち続けている。カウンターの向こうで黙々と平ザルを振るラーメン店主の背中には、昭和から平成、そして令和へと続く時代の荒波を潜り抜けてきた男の矜持が滲む。
「奇をてらったものは出さない。毎日でも食べたくなる、ガツンと力が出る一杯を作るだけ」。そう語る店主の手さばきには一切の迷いがない。深夜の平和島エリアを行き交う物流ドライバー、夜勤明けの工場作業員、そして終電を逃した若者たち。過酷な夜を生きる人々にとって、カウンターから差し出される熱々の一杯は、ただの食事を超えた「活力の補給所」なのだ。