放送がスタートした直後、視聴者の反応は決して手放しの絶賛ばかりではありませんでした。アニメ特有の抑揚に慣れ親しんでいたアニメファンから、小見川千明のナチュラルすぎる台詞回しに対して「棒読みではないか」「声が浮いている」といった手厳しい声が上がったのも事実です。
しかし、物語が進むにつれてその空気感は劇的に変化していきます。マカがパートナーである内山昂輝演じるソウル=エヴァンスとぶつかり合い、自身の弱さと向き合いながら「狂気」に立ち向かっていく過程で、小見川千明の放つ芝居は凄まじい熱量を帯びていきました。戦いの中で張り上げる魂の叫びや、等身大の少女としての葛藤を繊細に紡ぎ出す表現力は、回を追うごとに視聴者を圧倒していきました。
当初の違和感は次第に「この不器用で真っ直ぐな声こそがマカそのものだ」という確信へと変わり、終盤を迎える頃には「彼女以外の声は考えられない」と絶大な支持を獲得するに至りました。記号的なアニメ声優の枠組みを打ち破り、キャラクターの成長とキャスト本人の成長が完璧にシンクロした奇跡的な好例として、声優史に名を残す名演となったのです。