芝山監督の真骨頂は、ダイナミックなスペクタクルだけにとどまらない。国民的テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』の初代監督としても見せた、日常風景の情緒豊かなカット割りや、クスッと笑えるキャラクターの生活感ある動きにこそ、彼の卓越した演出術が光る。
登場人物たちが画面の中で過度に主張しすぎず、背景の空気感や間(ま)の取り方によってドラマを生み出す。芝山が手掛けるファミリーアニメは、子供だけでなく一緒に鑑賞する大人たちの郷愁をも揺さぶる。奇をてらった奇抜さではなく、徹底して「人間」を描く誠実さこそが、彼の表現の本質と言えるだろう。