北九州市民の胃袋を長年支えてきた「資さんうどん」。だが、全国展開が本格化した今、初めて店を訪れる客の多くが注文するのは、実はうどんではなく丼ものだ。この一見矛盾した購買行動の裏には、外食産業のプロすら舌を巻く緻密な戦略と、圧倒的な商品力がある。
もともと資さんうどんは、創業当時から「働く人のためのガッツリ飯」を提供する姿勢を貫いてきた。力仕事の合間にしっかりとエネルギーを補給したい労働者たちの要望に応える形で磨き上げられたのが、このボリューム満点なカツ丼だ。うどん屋だからこそ引ける自慢の出汁を贅沢に使い、カツの衣に出汁の旨味を極限まで染み込ませる構造は、カツ丼専門店でも容易には真似できない深いコクを生み出している。