この見事な草原は、自然のまま放置されているわけではない。放っておけば木々が生い茂り、やがて普通の森林へと姿を変えてしまう。黄金の絨毯を守り続けているのは、毎年早春に行われる伝統行事「山焼き」だ。
一般社団法人箱根町観光協会や地元の保存会、地権者たちが一体となり、広大な草原に火を放って雑木を払い、春の新しい芽吹きを促す。消防隊の厳重な警戒のもとで行われるこのダイナミックな山焼き作業は、地域の歴史と観光業を未来へ継承するための決死の営みである。私たちが秋に目にする感動的な風景の裏には、人々のたゆまぬ努力と地域愛が深く息づいている。