現代の博物館学・展示デザインにおいて、展示のあり方は大きな転換期を迎えている。かつては惨状を視覚的に再現して恐怖を想起させる手法が主流だったが、近年は犠牲者一人ひとりの「生」と「人間性」にスポットを当てるアプローチへと移行した。
広島平和記念資料館公式サイトの記録や解説によれば、リニューアル後の展示は「誰が、どのような生活を送り、どのように奪われたのか」という個人の物語を緻密に描写している。おどろおどろしいお化け屋敷のような体験ではなく、犠牲者の遺影やメッセージを通じて、自分と同じ人間がそこにいたという圧倒的なリアリティを呼び起こす。これが、最先端の展示デザインが到達した新たな地平だ。